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結核管理のノートから
梅澤 勉
1
1東鐵健康管理室
pp.26-33
発行日 1951年11月10日
Published Date 1951/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200174
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術生管理に從事する方々が,結核の管理に就て當室に時折相談に來られます。その方々のもつておられる意見を先ず聞いてみますと,大部分の人が現在職場にいる結核患者をどう處理するか,ということに重點をおいておられるようです。このことは問題になるところで,何故ならば結核管理の大部分の力が患者の處理という面に注がれてしまい豫防面がおろそかになつてしまうからです。その結果,出來上つてしまつた過去のあと始末に追われてしまい,結果によつては結核患者を摘發して職場から出來る丈け排除してしまうということも起り得る譯で,無自覺な臨床的健康者を結核患者の名稱におき變えて,職場から他の社會へそれを放置するということになり,國全體としての結核の状況は何等變りがないという結果になつてしまうからです。それではどんな點が結核管理の重點になるのか,それに就て少し述べてみます。
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