2頁の知識
身體のバランス(平衡感覺)
杉 靖三郞
pp.46-74
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906964
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體の位置や運動の状態を知り,これに對して適當な運動をして,體の均合いを保つことは,視覺でもおこなわれるが視覺がなくても充分に出來る。たとえば,目を閉じても自分が立つているか,坐つているか,あるいは横たわつているか,あるいはどのくらいに體がかたむいているか,ということを知ることができる。また暗いところを歩いてつまづいたときに,倒れないように體の位置をバランスさせることができる。
このようなバランスの働きは,常に私たちの日常生活においておこなわれているもので,立つたり坐つたり,歩いたり走つたり,物を持つたり投げたり,いろいろな身體運動のときに,いつも働いているのである。このバランスをとることに關係しているものには,1)筋および腱からおこる深部感覺,2)耳のなかにある迷路からおこる感覺の2つがある。
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