Japanese
English
綜説
色の感覺の電気生理学的研究
Electrophysiological Studies on Color Vision
問田 直幹
1
,
後藤 昌義
1
Naoki TOIDA
1
,
Masayoshi GOTO
1
1九州大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.194-203
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905819
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Ⅰ.まえがき
5年前に間田1)は「色の感覚の生理学的研究」と題する綜説の書きだしに次のように書いた。
近頃「シベリヤ物語」や「赤い靴」などの天然色映画を見つけてから普通の映画を見ると何となく物足りない感じがする。もし我々にカブトガニなどのように色の区別の能力がなかつたとしたら,この世はどんなにわびしいものになるだろう。更に実用的立場がら考えても色の感覚は我々の生活に重要な役割を演じているのである。古くからLeonard da Vinci,Newton,Goethe,Helmooltz,Maxwell,Schrödingerなどの碩学巨匠が色の問題ととり組んだのも故なしとはいない。光の波長が異るとなぜちがつた色の感覚が起るか。これは昔から物理学者,心理学者,生理学者の興味の的であり,又論争の中心となつた。そして今日でもまだはつきりとは分つていないのである。
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