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ジャワの生活
小野寺 サン子
pp.46-49
発行日 1951年8月15日
Published Date 1951/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906911
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南十字星の輝く南の國ジャワ,コーヒの香り高いジャワ,バラの花の咲きみだれているジャワ,パパイヤの白い花房,椰子の葉のさゝやき,どれをとつてもジャワの特徴を生かしてくれます。南國といえば情熱的ロマンティツクで魅力的で誰もの心に一種の憧憬を持ちます。それは私共人間生活を考える時,平和で生きるに何んの不安もなく,物質的にも精神的にも豊かに生活が出來しかも文化的で健康な生活が出來る事こそ誰しもの望むところであり,これが一種の魅力と憧憬を持つのではないかと思われます。情熱的でロマンティックだということは,民族性にもよりますがそれは大自然が育成してくれる環境と,幼少の頃からの情操教育に歸す點も多々あるのではないかと思われます。
ジャワは常夏ですから花は年中咲きみだれ,果實は豊冨で,ドリアン,パパイア,マンゴー,マンゴスチン,バナナ,パイナツプル,ランブータン,アグー,ドーク,ザボン等南方獨持の香り高い果實は豊富であります。其他日本にある果物は大體ありますが,林檎だけはありません。野菜類も何んでもありますし,山の幸,海の幸を満喫することが出來ます。椰子の木蔭から流れてくるあの哀調を帶びたガメランの音,それに合せて歌われる民謠や,踊りは人々の心に感銘深く刻まれることでしよう。
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