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新築なつた—東京遞信病院高等看護學院
高橋 百合子
1
1東京遞信病院高等看護學院
pp.52-54
発行日 1951年8月15日
Published Date 1951/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906913
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白亞の東京遞信病院の東側,坂道をへだてた臺地の上に松のみどりと,外堀の蒼い水にかこまれ今春竣工したモルタルリシン仕立の象牙色の看護學院は學院長始め病院職員各位の絶大なる御盡力及び設計者の鋭敏なるセンスと看護婦教育に對する深遠なる御考えとにより微に入り細に亘り研究と検討を重ねて計企されました。校舍及び寄宿舍全體に,純潔さと氣品さとがただよつて居り,教室の壁の色,机の形に至る迄看護婦教育の特殊性に沿う樣努力が拂われて居ります。
學生の寄宿舍は新鮮な然も非常に生き生きとした活動的なな意味を持つ「清泉療」と呼ばれ,この名前は學院長が高き教養と明るい豊かな情操を培い,人格のとうやに專念し,將來優秀なる看護婦となりうる有爲なる人材が丁度泉から清水がコンコンと湧き出されるように次々に此の寮から社會に送り出される事を念願されて名付けられたものでございます。校舍と清泉寮とは,延燒防止のため輕快な耐火構造の屋根だけの渡り廊下に連絡されています。看護婦學生は入學と同時に入寮いたし看護婦教育の特色とも云うべき24時間教育が行われます。講義と實習が一體である樣に生活も又遊離しない樣良き看護婦を目指して精神的にも肉體的にも寄宿舍の生活を通してみがきをかけられるように努力いたしております。
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