発行日 1951年7月15日
Published Date 1951/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906887
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ビタミンが始めて化學的に決定されたのは1911年フアンクによる糠からの抗脚氣有效成であるVitamineとしてであり,殆ど同時期に我が國においては鈴木梅太郞博士が糠からオリザニン抽出したのに始まるのである。それ以來今日まで丁度40年の間に約40種類以上のビタミンが發見されておるのであつて,1年に1個以上の割合で新らしいビタミンが發見されて來たことになるのである。而もこれらのビタミンの大部分は,化學的構造も決定され,その生理作用や病理的意義について精しい研究が行われていて,今日では榮養の實際面や治療の上に大きな役割を占めるものが少くないのである。その中でもビタミンB群の研究は特に旺盛であつて,今尚お次々と新らしいビタミンが見出されつゝあり,現在までに發表された種類だけでも30種類以上に達する状況である。
更に注目すべき進歩は,かかる澤山のビタミンに對して,その化學的構造の僅かの差異や或は相反する性状によつて,それらビタミンの生理作用を阻害する物質の研究が行われて來たことである。かかる物質を抗ビタミン(Antivitamin)と稱するのである。
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