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學童の尿中ビタミンB群排泄量
橋本 日出男
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1京都大學醫學部衞生學教室
pp.140-141
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200721
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緒言
日本の學童尿中ビタミンB1及ビタミンB2排泄量に關する調査は既に若干發表されているが,ビタミンB1,ビタミンB2及ニコチン酸の代謝産物たるN'-メチールニコチンアミド(以下夫々單にB1,B2,N'-Mと略稱する)を同一尿につき同時に測定し,その綜合的關係を觀察した例は少く,とくにN'-Mの排泄量は日本では未知の域にあるといえよう。そこで私は學童尿中のこれらB群の排泄量を測定し,とくに健常兒童と榮養要注意兒童排泄量の差異に注目した。從來發表された小兒の尿中B1及B2排泄量に關する主な報告は表1の通りであるがN'-Mに關する報告はない。
1.觀察對象:京都市立勸修小學校の兒童中,同一家族の兄弟姉妹で三名以上が同校に通學して居る健常な同胞群(特定の眼疾患,並に口唇,口角,口内炎等を認めず)23組68名及榮養要注意兒童10名(何れも別家庭)を被檢者とした。なお栄養要注意兒童の判定には私(5)の提案した一新法(年令別身長別體重を基準とし榮養可良域,握視診域,榮養要注意域を區別し,臨牀的檢査により握視診域兒童を榮養可良又は榮養要注意に篩い分ける方法を適用した。
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