世界のナース・1 イタリヤ
Villa Biancaの想い出
原田 和歌子
pp.26-29
発行日 1950年1月15日
Published Date 1950/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906595
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誰でも言うことですが外國で何が困るといつて病氣になつた時が一番みじめです。どこでも醫療制度が發達して居ますから施療患者になればただも同樣で行屆いた治療を受けられますが,外國人ではそういうわけにも行かず,普通のお醫者にかゝれば莫大なもの入りです。
日本で娘3人あれば婚資の爲に倒産すると言いますが,外國で1度入院すれば借財で首が廻らなくなるとよく言われて居ます。こういう經濟的な痛手ばかりではなく,苦しい時によく言葉が通じなかつたり,さらりとしたお粥に梅干がなつかしい時に,油こいスープなどいやでも飲まねばならない苦痛は人知れないものです。その時せめて優しい行き屆いた看護を受けることが出來れば病人の幸,不幸は決定的と言えましよう。
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