発行日 1948年2月15日
Published Date 1948/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906287
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感謝されろことの多い職業には又恨みを受ける危險が多分に伴ふものです。皆さん方の樣に患者さんを取り扱つて居られる方には,必ず患者さんから非常に感謝されることが,キット度々あられるでしよう。併しこれと反對に恨まれた御經驗はありませんか。看護と云ふ務めの長い生活の間には,一度か二度は必ず,そんな苦い經驗をされることもあり得ると思ひます。
感謝と恨みとは紙一重の差です。一寸したことで感謝もされ又恨みもされます。併しその原因をよく考へて見ると,大抵の場合,自分の方に何か一寸した不注意なことがあつて,それから起ることが屡々あります。それであとから考へて見ると,若し事前に一言注意するなり,或は一寸氣を附けて置けば,そんな間違は起らなかつたのにと思つて,思はず殘念なことをしたと唇を噛むで後悔されたことはありませんでしたか。
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