看護學講座
内科學
橋本 寛敏
pp.36-55
発行日 1947年4月15日
Published Date 1947/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906199
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泌尿器疾患
腎臓は尿素,尿酸,クレアチニン,アンモニア化合物等窒素を含む老廢物の排泄をするが,その他すべて血液の成分に異常があれば,有害無用の物質を排泄して,血液の組成を一定に保つ安全辨の役目をする。血液の正常成分である葡萄糖,鹽類,水等も過剩になれば,腎臓から尿中に排泄される。
腎臓固有の機能を司るものはネフロンNephronであつて,之はマルピギ(Malpighi)小體とそれより出る細尿管によつて構成される。無數のネフロンが集合した物が腎臓である。マルピギ小體は血管毬(絲毬體)Glomerulusと毛毬嚢(Bowman嚢)とで組み立つて居る。血管毬は毛細管の樣な一重の細胞壁を有つ細血管が絲毬の樣に塊をなしたもので,一方の口から流れこんだ血液は血管毬内を巡つて,他方の口から流れ出る。血管内を流れる間に,血液中の鹽類,葡萄糖,尿素其他の老廢物は血管壁とバウマン嚢壁を透過しで,毛毬嚢腔に出る、血漿の蛋白質グロブリン,アルブーミン,フィブリノーゲンは分子が大きいので出ちれない。蛋白質でも血色素よちも小さい分子のもの卵蛋白,ゲラチン,ミオグロブリン,イヌリン等は出る。
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