看護學講座
内科學
橋本 寛敏
pp.49-60
発行日 1948年2月15日
Published Date 1948/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906290
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吸蟲 Trematoda
人體に寄生する吸蟲類は肝臓ヂストマ,肺ヂストマ,日本住血吸蟲等である。二つの吸盤を有つので二口蟲Distomaとも謂う。口吸盤は口の役をするが,腹吸盤は吸着の道具に過ぎない。1-2の中間宿主があり,蟲卵が孵化して生れる仔蟲が,中間宿主に宿ると發育して色々と形が變る。
宿主の體内で産まれた蟲卵が體外に出て孵化し,最初に生ずる仔蟲をミラキヂウムMiracidiumと謂ふが,之は小さい子供と云ふ意味だ。中間宿主に入つたミラキヂウムは,先づ嚢状體Sporocystに成り,その内に多數のレヂアRedia(之は發見者Rediの名をとつて名つけた)を生じ,その内にまた多くのケルカリアCercariaを生ずる。ケルカリアとは尾のあるものと云ふ意味である。ケルカリアは中間宿主から出て,尾を動かして水中を泳ぎ廻り第二中間宿主に入るか,或は直接宿主の體に入る。
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