看護學講座
内科學
橋本 寛敏
pp.56-73
発行日 1947年2月15日
Published Date 1947/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906190
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消化器病
消化器とは口から肛門までの管で,食物を消化し,榮養素を吸收する役目をする。
食慾が起れば味覺の記憶に依つて食物を求め,噛み,味覺で適不適をたしかめなから,味を樂しみ嚥下する。斯くして食べられた食物は食道を通り,胃に貯へられ,少量づゝ腸に送られて消化を受ける。酸性の胃液に混じた食物塊が十二指腸壁につき當ると,反射作用で胃の幽門が閉ぢる。十二指腸内の酸性の食物が十二指腸液のアルカリに中和されると,腸壁に對する酸の刺戟か消ゆるので,幽門閉鎖の反射も止み,幽門は再た開く。斯くして胃の内にある食物は僅かづゝ腸に移つて,よく消化される。十三指腸壁に胃から來た食物の酸が作用すると、セクレチンが發生して,血液によつて運ばれ,膵臟を刺戟して,その分泌を昂める。膵臟は蛋白.含水炭素,脂肪を徹底的に消化する酵素を出す。
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