看護學講座
外科學
幕内 精一
pp.49-55
発行日 1946年12月15日
Published Date 1946/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906157
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5.温罨法は炎症に廣く用ひられる方法で患部に温熱を加へると潴溜せる滲出液を去り且つ患部に血量を増加せしめることによつて炎症を限局せしめる利點がある。普通硼酸,食鹽水の温罨法又は乾熱を熱氣の形で用ひる。亦温濕布の上に懷爐,又湯タンポを貼用することもあるがこの場合には火傷に注意しなければならない。
6.化學的療法として局所,全身療法を兼ねる最も良い療法はペニシリン・Penicillin注射である。但しこれは連鎖状球菌,葡萄状球菌,淋菌に特效を有し肺炎球菌に對する效果はズルフアピリヂン系統に劣る。であるから面疔其他敗血症(連鎖状,葡萄状球菌による)には著效を奏し屡々救命的效果を現はすものである。普通米國製の10万乃至20万單位のものを用ひ零度に保ち使用に際しても零度の蒸溜水に溶して3時間毎に注射する以外は零度の氷室に置くこと。亦水溶液としたなら48時間以内に用ひないと效力が失くなることである。
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