看護学講座
外科學(1)
幕内 精一
1
1東京日本赤十字社模範看護婦專門學校
pp.61-63
発行日 1946年10月15日
Published Date 1946/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906126
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I.緒言
醫學の一分科である外科學が茲々數十年來急速に進歩し重要な地位を占めるようになつたが其基礎は醫學の父と仰がれるHippocrates(470-361B. C.)を初め先人の撓まざる努力により築かれたものであつた。Hippocratesは骨折,關節,骨疾患、脱腸の還納法、穿頭術,膀胱結石及蓄膿の治療法等に就いての記録を殘してゐるが、それは今日尚多くの教示を與へてゐる。
其他外科學の進歩に寄與した主なる學者を學げれば動静脈の連絡竝に毛細血管のあることを初めて述べたGalen(131-201A. D.),現代の解剖學の基礎をつくつたVesalius(1514-1563)四肢の切斷に際して初めて血管の結紮をなしたPare(1510-1590)等であるが中世紀まで外科は理髪師,湯屋の主人,體操教師に依つて行はれて居りあまり品か佳くなかつた。16世紀の文藝復興期以後漸く外科醫は醫者の下位にむかれるようなつた。
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