特集 臨床にEBNはどう貢献するのか
今,EBNで看護の何を見なおすのか
阿部 俊子
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.210-213
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906001
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何がEBNなのか?
科学的根拠のある看護,Evidence-based Nursingというのは数十年前にもいわれていたことだ.では,今なぜまたリバイバルのように同じことがいわれているのだろうか?
数十年前にいわれていた「科学的根拠のある看護」というのは,病態生理学に基づいたものであった.今看護界でいわれているEBM Nは経験,直感で行なわれてきた,病態生理からの推論である仮説に依存していた医療を,科学的根拠に基づいて行なおうというものである.その科学的根拠というのは,病態生理学だけを指すのではなくて,根拠であるエビデンス水準を明確にしたものである.米国の保健政策研究局(Agency for Health Care Policy and Research;AHCPR)が出した「エビデンスの水準」という分類がある(AHCPR,1993年)(表).これは研究方法のレベルで分類されて,「専門家委員会の報告や意見,あるいは権威者の臨床経験」というのも「エビデンスの水準」に分類されている.
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