特集 死後のケア—基本技術と家族への配慮
クレゾールの使用を見なおす
新田 都子
1
,
窪田 由美子
1
,
水野 美佐江
1
1愛知県がんセンター
pp.128-131
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903664
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はじめに
死後の処置は,患者の死亡後に遺体を清潔にし,外観を安らかに美しくする目的で行なわれる最後の看護行為である.以前,当院の看護基準では,1〜2%クレゾール石鹸液(以下クレゾールとする)を使用し,死後の清拭をするよう定められていた.日々の清拭には,沐浴剤や石鹸を用いているが,死亡後の清拭はクレゾール清拭に変わる.しかし,その根拠は明確にされていない.クレゾールは,その独特の臭気から清拭には適していないと考えられるが,なぜ一律にクレゾールを使うのかという疑問を持った.
死後の処置に関する看護の文献は少なく,そのなかでも清拭に何を使用するかを明記したものは,ほとんどない.唯一,「病院での処置は,大半がクレゾールを入れたお湯や,アルコールによる清拭」1)とあったのみである.また,院内感染に関する文献は多いが,その内容は患者の生前の感染防止対策であり,死亡後の取り扱いについて書かれたものはなかった.
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