焦点 Evidence Based Nursing—その基本と実践・研究・教育への活用
看護実践におけるエビデンス—EBNとは何か? どのように実践したらよいのか?
外崎 明子
1
,
Linda Johnston
2
1聖路加看護大学
2Victorian Centre for Nursing Practice Research, School of Postgraduate Nursing, The University of Melbourne
pp.107-113
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900751
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EBNが求められる背景
最初に,EBNについて概説的にお話します。重要な点はのちほど掘り下げていきますので,ここではEBNとはどんなものか,全体的に把握していただきたいと思います。
ナースが臨床の場で意思決定をする場合,いろいろなことを考えなくてはなりません。研究成果などの利用可能な知識・情報を活用するばかりでなく,自分の経験を通して得た知識・感覚,仲間と相談することも必要です。また,消費者である患者の望みも十分考慮していかなくてはいけません。近年,保健医療の介入効果に関する一連の知識と,実際に臨床現場で行なわれている実践との間にギャップが存在していることは,よく指摘されることです。それに対して,研究から得られた最良のエビデンスと実践家の臨床専門技能を統合してこのギャップを埋める1つの方法が,エビデンスに基づく看護(Evidence Based Nursing;EBN)です。
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