ベッドサイドの看護
かかわりの難しい手首自傷を繰り返す患者への援助
岩下 治美
1
,
上釜 ミヨ子
1
1国立療養所菊池病院精神科病棟
pp.1271-1274
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919394
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ここに述べる事例は,私(岩下)が精神科に勤務して4か月目に,個人受け持ちとなったが,どういう方法で近づいたらよいのかわからず困り果て,精神障害者の看護から逃げ出したくなったときの事例である.患者は祖母に対して‘臭いとか,嫁の私のことを“なにもせん”と隣近所に言いふらす’などと不満を言い,自分のことは‘眠れない,食事がおいしくない,体がきつい’など,明朗さのない表情で毎日訴えてきた.私は時間の許すかぎりこの患者と付き合ってみたが,何の効果も得られず,ついには手首自傷による自殺未遂にはしらせてしまった.この事例を振り返り,私の対応のあり方について,なぜこういう結果になったか,その原因から見直して今後の看護に役立てることができればと思う.
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