グラフ
HIV/AIDSに携わる医療専門職の質的向上をめざす研修活動
八木 保
,
本誌編集室
,
国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター
pp.802-807
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905657
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1996年3月,血液製剤によりHIVに感染した患者や家族と国(厚生省)の間で和解が成立したことをふまえ,翌97年4月,国立国際医療センターにエイズ治療・研究開発センター(以下,エイズセンター)が設立された(本誌61巻8号,10号参照).エイズセンターは,①臨床,②臨床研究,③情報提供,④研修の4つの機能を柱とし,最先端医療の提供と研究の蓄積のほか,全国7ブロックに1つずつあるブロック拠点病院と約350の拠点病院との連携を助け,わが国のHIV/AIDS医療の司令塔的な役割を担っている.
看護面での特徴は,他の国立病院に類例をみない「コーディネーターナース」の配置と,彼女らの精力的な活動にある.4名いるコーディネーターナースのうち2名は調整官(看護支援調整官,患者支援調整官)であり,病院看護部ではなくエイズセンター臨床研究開発部長の直属となっている.看護支援調整官は,臨床実地研修のプログラムやスケジューリング,ブロック・拠点病院などの診療体制のサポート,エイズセンター—ブロック病院—拠点病院の有機的な連携のサポートを行なうことが主な任務である.患者支援調整官は,HIV訴訟の原告団が被害者の救済を目的に設立した「はばたき事業団」が行なっている事業のうち,健康状態のチェックなど,エイズセンターがかかわる事業を運営する.
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