研究と報告
がん患者の悪臭に対する各種消臭剤の消臭効果について
上坂 美有
1
,
木下 夏子
1
,
河村 圭
1
,
大西 玲子
1
1大阪労災病院西3階病棟
pp.892-895
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905678
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近年,悪性新生物疾患の患者は増加傾向にある.当婦人科病棟でも,卵巣がん・子宮がん・外陰がんなど悪性腫瘍の入院患者は多い.がんは進行に伴い,疼痛の増強はもとより,がん組織の腐敗臭,浸出液・帯下による悪臭を伴う.末期患者の援助は疼痛・苦痛の問題に重点がおかれがちであり,消臭について問題視されてはいるものの,効果的な対策がとられていない.これらの悪臭は,本人はもとより周囲の患者に不快感を与え,食欲を減退させるだけでなく,人間関係にも影響を与える可能性もある.
現在,消臭対策の1つとして,芳香剤によるマスキング法が行なわれているが,病院には特有の臭いがたくさんあるため,その臭いの上にさらに臭いを重ねることはかえって不快な臭いを増強させる場合もある.そこで,私たちは婦人科病棟に入院中の1人の患者の臭いを通して消臭効果の実態を調べた.
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