連載 臨床で研究に親しむ・17
患者指導プログラムの有効性を確かめる—t検定を用いて②
金井Pak 雅子
1
1国際医療福祉大学
pp.474-478
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905593
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はじめに
前回は,糖尿病患者への患者教育の効果について,その効果を統計的に証明する方法を紹介いたしました.具体的には,患者教育を行なう前と後で知識テストを行ない,その結果を比較しました.このように同じ対象の2回の結果を平均値同士比較する方法を「対応のある場合の平均値の差の検定」といいます.そして,検定方法には,t検定を使います.
今回紹介するのは,同じt検定ですが異なるグループでの平均値の比較を行なう方法です.たとえば,初産婦を対象に母乳栄養がいかに大切かについてのプログラムを実施しようと考えたとします.そして,そのプログラムの効果を測るものとして,妊婦たちの母乳栄養に対する態度を点数化したもので表したとします.もちろんこのように態度を測定するには,厳密には用いるもの(測定用具)がほんとうに態度を測るものなのかについて証明しなくてはなりません.つまり測定用具の妥当性(ほんとうに態度を測れるものなのか)と信頼性(同じ条件下なら同じ結果を出す)の検討がなされていることが必要です.
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