特別記事
リハビリスタッフの病棟配属制と看護の関係
増田 千恵
1
,
田元 孝子
1
,
寺山 みのり
1
,
片山 裕美子
1
,
田村 キミ子
1
1近森リハビリテーション病院
pp.356-361
発行日 1998年4月1日
Published Date 1998/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905569
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はじめに
近森リハビリテーション(以下リハと略す)病院は,1989(平成元)年12月に急性期医療を担う近森病院に併設されたリハ専門病院である.従来よりリハ医療はチームアプローチが重要であると言われているが,今までにその具体的方法に関して検討した報告は少ない.当院も開設当初より充実したチームアプローチを模索してきた.また,入院による,リハを実施する主たる場所が理学療法室および作業療法室である傾向が強いことに疑問を感じ,開院当初より入院リハの主たる場所を病棟と考え,理学療法室,作業療法室を補助的場所と位置づけた.したがって,当院では看護をチームの中心として据え理学療法士(以下PTと略す)・作業療法士(以下OTと略す)・言語療法士(以下STと略す)・臨床心理士(以下CPと略す)・医療ソーシャルワーカー(以下MSWと略す)・栄養士・薬剤師等の徹底した協業が可能なシステムを確立するよう努力をしてきた.
しばしば,訓練室でできることも,病棟では行なわないと言われるように,昨今,問題にされている「できるADL」と「しているADL」の差は当院にとっても大きな問題点であった.しかし,従来の訓練室と病棟体制では「できるADL」と「しているADL」の差をなくすことは難しいと考え,病棟訓練の導入を試みるとともに1996(平成8)年6月よりリハスタッフの病棟配属制(病棟拠点体制)を導入した.
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