医事業務あれこれ事例集・9
医師の宿直制と関係法規
町支 義明
1
1名古屋第一赤十字病院医事課
pp.72-73
発行日 1972年9月1日
Published Date 1972/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204767
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医療法第16条‘医師の宿直義務’
医師の宿日直制に関することは,医師と病院管理者との問題であり,医事業務には直接関係のないことではあるが,かつて,私どもの病院で医師数が定員に満たないという要因と,その要因から生ずる医師1人あたりの診療業務の激増に加えて時間外患者の急増が誘因となって,医局員から宿日直制の拒否という爆弾声明があったことがあり,しばらくの期間,この問題の解決に病院管理者群が苦慮したことがあった.
またちょうどそのおり,管理者から日ごろ医療関係法令に関係している医事課長に,宿日直に関する法規などについての調査をするよう依頼があったので,当時これらに関する法規を調べたり,関係官庁の意見を聞いたりして苦労した経験がある.最近のように交通事故の頻発による傷病者の増加とか,また地域における医療需要の増大などからみて,今後においても時間外診療はますます多くなってくることが推察されるので,そうなれば当然どこの病院でも一応宿日直制の問題について多少なりともトラブルが生ずることが予想されるし,もし,そういう事態になれば私と同様,大方の病院の医事課長さん方が関係法規などの調査役を命ぜられ,苦労されることと思われるから,老婆心ながら今回は標題のテーマを取り上げてみた.そして私の調査した資料を紹介することによって,少しでも参考になれば幸いと思い筆をとった次第である.
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