特集 “急性期包括化”の流れを追う—医療保険改革の中で看護は
急性期包括払いの現状と今後の看護の役割
松月 みどり
1
1日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター
pp.227-231
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905543
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中小企業のサラリーマンなどが加入する政府管掌健康保険組合が'96年度決算で過去最高の4196億円の赤字を計上し,医療保険財政は今,破綻寸前に追い込まれている.現行の診療報酬体系はさまざまな利害調整と経済誘導によって複雑化しており,今後の医療体制に対応しきれない状況にある.小泉純一郎厚生大臣が「過激と言われるくらいでないと改革にならない」と発言した,医療制度始まって以来の大改革がスタートしている.介護保険の導入,医療情報公開の促進,末期医療の見直し,在宅医療の推進,医療機関の機能分化,在院日数の短縮などである.
今回は現行の診療報酬点数をもちいて,実際のケースをモデルに,包括払いである救命救急入院料(特定入院料)と通常の出来高払いとで医療費を比較してみた.そして導入が検討されているDRGで看護の何が変わるのかについて私見を述べる.
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