特集 “急性期包括化”の流れを追う—医療保険改革の中で看護は
老人医療の包括払いは現場をどう変えたか
千田 徳子
1
1医療法人渓仁会西円山病院
pp.232-236
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905544
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はじめに
老人医療の現場は,この10年,高齢化のスピードアップと医療費の高騰を背景に,変革の流れの中にある.1988年の老人保健施設の誕生,'89年ゴールドプラン,'90年老人医療に定額制導入,'91年老人訪問看護制度の創設と,入院期間の短縮,社会的入院の是正を目標に,次々と新たな制度が導入されてきた.なかでも老人医療の定額制は,老人病院の看護を大きく変えたといえる.さらに,2000年の介護保険制度施行によって飛躍が期待されている.
介護保険制度の要は,ケアマネジメント機能と言われている.ケアマネジャーの活動が高齢者のQOLに直接影響する.高齢者の多様なニーズに対応するためのチームケアにおいては,ケアのプロセスに幅広い職種や専門家の知識,技術を活用することが重要である.各々の専門性を生かしつつ,協働できるようコーディネートすることがケアマネジャーの重要な役割であるから,幅広い知識や能力が必要とされる.保健医療,福祉分野で活動経験もあり,医学的情報と生活管理的情報を持つ看護職が最適と確信するが,専門家養成の必要性や動きもあるようだ.
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