連載 脳神経外科保険診療の展望・3
PMDAの役割と今後の展望
近藤 達也
1
Tatsuya KONDO
1
1独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
pp.307-315
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101385
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Ⅰ.はじめに
本稿では,独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)の役割と今後の展望について概説する.
まず,自身の紹介をさせていただきたい.私の大学卒業当時,まさに現在と同じく社会の変革期であった.社会が大きな問題点を抱え,医療や医局のあり方についても多くの議論がなされていた.このような時代背景の中,脳神経外科の医師として,専門医であるとともに,救急や臨床研究,さらに基礎研究と2足,3足のわらじを履くがごとくさまざまな職を務めた.その後,海外留学の機会を得て,先進国における医学のあり方,研究所のあり方に触れたことで,大学以外の機関でも研究はできると考えるようになり,国立病院医療センターに勤務した.国立病院医療センターでは当時,国際協力が大きなテーマとなっていたため,国際協力として開発途上国に赴くこととなり,結果的に各国の状況を見る機会を得た.その後,国立国際医療センター病院長を経て,2008年4月にPMDAの理事長に就任,現在に至る.
昔から複雑,混乱した状況を論理的かつわかりやすく解決し,さらに創造にもつなげるといったことに非常に関心が高い性格である.その一方,社会的な正義はやはり重要であると考え,公平感を保つように工夫をしてきた.今後も,これまでの医師の経験を活かしつつ,PMDAにおいて孤独を怖れず,筋を通したことを行っていきたいと考えている.
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