第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《パネルディスカッション》がんのリハビリテーションの実践に向けて―座長/辻 哲也
急性期病院におけるがんのリハビリテーションの現状と今後の課題
宮越 浩一
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1亀田総合病院リハビリテーション科
pp.294-298
発行日 2012年6月18日
Published Date 2012/6/18
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はじめに
近年のがん治療の進歩とともにがん症例の生命予後が改善している.このため,がん治療においても生存期間のみを追求するのではなく,日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)を考慮した治療を行う必要がある.リハビリテーション(以下,リハ)の分野でもがん症例に対するリハが普及し,全国のがんセンターなどでもリハの提供体制は整備されてきている.さらに今後の高齢化に伴い,がん患者の数は増加を続ける見込みである.このため一般病院のリハの現場においてもがん症例に対してリハを行う機会は大幅に増加することが予想される1).その一方でがん症例に対するリハの適応や治療指針など標準的なものは形成されておらず,施設ごとに提供されるリハの内容は異なっているものと考えられる.本稿では急性期病院である当院のがん症例に対するリハ実施状況を報告し,今後のがんのリハにおける課題について検討する.
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