研究と報告
看護理論がわからないと看護ができない?
土屋 八千代
1
1山梨県立看護短期大学
pp.402-404
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905330
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この頃気になることを耳にする.一昨年より居住地がかわったが,その地域の臨床の方々が口々に,「看護理論がわからないと看護ができないと言われ続け,せかされるように学習するがちっともわからない,さらに今まで何年と積み重ねてきた実践を否定されたような気分になり自信喪失状態にある」ということを言われる.
新しい知識は学ばなければ習得できない.当然,「看護理論」,「看護過程」,「看護診断」などといった目新しい概念の表面的な響きに反応し,意欲ある者は講習や著書を購入し学習を始める.しかしながら,仮に内容は理解できても実践には活用できないのが現実である.実践に活用できなければ,いつまでたっても「わからない」のと同じであり,焦燥感はつのるばかりとなる.特に婦長など管理職にある者や意欲的な方ほど,このような状態になっているらしい.何故このような事態が生じるのか,と不思議に思っていたが,この頃少しずつわかるようになってきた.
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