焦点 看護管理者が経営参画する時代へ
【座談会】看護職は副院長になるべき
武 弘道
1
,
大島 敏子
2
,
松村 啓史
3
,
土屋 八千代
4
1全国病院事業管理者等協議会
2神戸大学医学部附属病院
3テルモ株式会社・経営企画室
4宮崎大学医学部看護学科
pp.244-251
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100643
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
なぜ看護職が副院長になるべきなのか
松村 本日は「看護職は副院長になるべき」をテーマに議論を進めたいと思います。私は多くの病院を外側から見させていただいていますが,看護職が副院長になった病院はとてもよい方向に変わるのを実感しております。まず自己紹介を兼ねて,なぜ看護職が副院長になるべきかという基本的なところからご意見をお願いします。
武 私は長い間,病院勤務医として勤めてきました。ずっと看護師と一緒に病院で働いてきたわけです。一緒に仕事をしていると,看護師の仕事の大変さがわかるうえ,素晴らしい働きをすることも目にすることが多いのです。また病院長兼事業管理者として鹿児島市で8年間,埼玉県で4病院を4年間,そしていま川崎市で3病院をみていますが,幹部会議などのときに「患者さんのための医療」という視点をほんとうにもっているのは看護師であることがわかります。医師は自身の専門領域だけを歩いてきますが,看護師は多くの科を回るので病院のいろいろなところをみています。どこに欠陥があるか,患者さんがどんな不満をもっているかなど,よく知っているのは看護師です。また夜間に病院を守るのは夜勤看護師長です。それだけ病院を把握している看護師が副院長になれば,病院としても助かります。副院長は病院管理の一端を任される以上,病院の全体を把握しなければなりません。だからこそ看護師が副院長になって当然だと私は思っています。どの病院でも副院長の1人は看護師がなるべきだと思っています。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.