連載 Letter from ペンシルバニア・第2報
現実はキビシイ〜の話
松倉 伸子
pp.262-265
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904766
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オンコロジーって?
前回,と言っても随分前(1993年10月号)に,いかにもアメリカでの一般生活者のオドロキといった話をしましたが,今回は少し看護留学生らしくMSN(Master of Science in Nursing:看護学修士課程)での様子を書きたいと思います.
私が専攻しているのは,Oncology Nursing Specialist(腫瘍看護学専門)のコースで,グウィニッドマーシー大学のMSNには,このほかにも老人看護学専門と小児看護学専門があります.さらに,役割機能の専門として,マネージメント(管理)とエデュケーション(教育)があり,私はマネージメントを取っています.オンコロジーを選んだのは,これからの在宅ケアの対象として「がん看護」は最も重要な位置を占めるようになると思ったからです.実際,アメリカでは化学療法や放射線療法は外来での治療を行なっていますし,オペ患者は特別なオペ前処置がない限り,自宅からオペ室へ直行します.術後も抜糸前で当たり前,よほどのことがない限りは長くても2週間で退院します.そして,それらのフォローアップはすべて訪問看護で行なわれるのです.これは保険が規定期間分しか支払われないためで,クリントン大統領のヘルスケアリフォーム案はアメリカの医療の在り方を大きく変えようとするチャレンジでした(と言うよりも,医療が保険に振り回されている,というのが実際のようです).
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