学生の広場
5日間の基礎実習を振り返って
大崎 尚子
1
1大阪鉄道病院高等看護学園
pp.1030-1033
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904680
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1993年5月31日〜6月4日までの5日間,「患者の理解を深め生活の援助ができる」看護を目標に,基礎看護実習を外科病棟で行なった.実習前には事前学習もスムーズには進まず,指導者,看護婦,医師に自分の不勉強を指摘されるのではという不安と緊張がある中で実習は始まった.
私が受け持った患者さんは82歳の女性,Aさん.夫はすでに死去し,次女と2人暮らしをしていた.直腸がんにより人工肛門造設術を13日前に受けたものの,人工肛門造設という現実をまだ自分の中で受けとめることができず,自分でパウチという便をためる袋から便出しをしようとしないでいた.また,創部を見ることを怖がっているといった状態で,便出しから身の回りの世話をするのは,すべてそれまで一緒に暮らしていた次女の役割だった.その中で,Aさんの性格は社交的で周囲への気配りのあるタイプだったので,それが救いでもあった.
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