連載 私が訪問看護に魅かれる理由・2
季節の移り変わりを肌で感じて
小沼 絵理
1
1南大和訪問看護ステーション
pp.768-771
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904618
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私たちは今,満開の桜の下を愛用の訪問車に乗って走っている.先日あるお宅で,「看護婦さんはよくお花の名前をご存じですね」と言われたが,そういえば訪問看護の仕事を始めてから自然に触れることが多くなった.夏の暑さや今年のような大雪には閉口させられることもあるが,空調完備の病棟にいては味わうことのできない,四季折々の自然の美しさを堪能できるのも,訪問看護の魅力の1つではないだろうか.
前回は,医療機関からの訪問看護という立場で書かせていただいた.訪問看護にはさまざまな形があることは周知の通りだが,この4月より私たちは病院を離れ,「老人訪問看護ステーション」として再出発を切った.2年前より,全国でスタートした「老人訪問看護ステーション」は,1994年4月現在で全国に約350か所開設されているという.このステーションについては,開業医が主治医でも訪問看護が可能になること,経済的にも若干収益がよくなること,まだ法人や団体にしか開設が認められていないとはいえ,看護職が長となり1つの事業所として独立できることなどが評価されている.しかし,実際には赤字経営が避けられない,職員の確保が困難,慣れない事務処理等々,問題は山積しているのが実情である.
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