Editorial
呼吸器感染症の移り変わり
北本 治
1
1東大医科研
pp.1587
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203860
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呼吸器感染症の移り変わりを述べるまえに,感染症全般の移り変わりを一瞥して見たい.昔,死因の第1位を占めた感染症が,先進国であるほど,その首位を譲っている.
しかしアメリカでさえ,感染症はなお死因の第3位を占めているのである.第1位は心臓・脳の血管障害,第2位が癌,第3位が感染症で,アメリカの感染症学会会長Sabinは感染症をNumber 3 Killer,第3の殺し屋といっている.わが国もほぼ同様である.感染症がしばしば他の基礎疾患に合併してその直接死因となることを考慮すると,感染症が死亡に関与する割合は,以上の統計よりさらに上回る実態をもつものといわねばならない.
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