連載 看護治療学序説・6(最終回)
看護治療学の将来展望と課題
早川 和生
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.658-659
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904592
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現在の基本的課題
看護職は医療の中核を担っています.日本では,約90万人の看護職が,アメリカでは約210万人の看護婦がさまざまな役割を担って働いています.看護職は医療専門職の中で圧倒的に最大多数の職種となっており,看護職を抜きにして医療は存在しません.
ところが,看護ケアがほとんどすべての患者の治療と健康回復に必須となっているにもかかわらず,看護ケアの臨床効果が目に見える形で現れていないのはなぜでしょうか?看護職とは一体何をする人でしょうか?看護婦のさまざまな臨床行為は,患者の受ける医療の質にそれぞれどのくらいの差異をもたらしているのでしょうか?一定の看護行為の実施回数を増やしたら,患者の健康水準はどの程度上がるのでしょうか?ある看護行為は,同様の目的で使われる他の看護行為に比較して,どちらがより高い臨床効果が期待できるのでしょうか?看護ケアに関して,一般の人が持つ基本的な疑問点に,看護職は明確に回答を提示しなければなりません.
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