特集 IT革命と病院
医療消費者への医療情報の提供
鈴木 吉彦
1
1東京都済生会中央病院糖尿病外来
pp.29-34
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903173
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医療消費者,つまり患者に対して,インターネットを利用し,医療関係者がどのような方法でどのような情報を提供していくべきか,これは今後,社会において大きな問題になることでしょう,インターネット先進国のアメリカでも,大きなプロモーションをしているホームページはありますが,成功事例とはいえないようです.一般向けの相談をしているホームページには確かにアクセスは多いのですが,医療レベルとしては低い内容の相談になりがちです.その結果,病院などでの実際の臨床には妨害になるという問題が浮上しています.「あるホームページに,こういうことが書かれていたのですけれども」と患者が医師に質問することが増えているといいます.しかし,参照したホームページではしっかりした相談がなされていないので,実際には混乱を来しやすくなっていると聞きます.
保険制度の異なる日本においては情報公開に対する考え方も異なるので,この問題は日本独自の問題として考える必要があります,筆者は,済生会中央病院で糖尿病外来の医師を続けながら,また一方では,ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社というインターネット接続プロバイダーの中で健康医療関連のプロジェクトを指揮しているという立場から,今後の医療消費者への医療情報の提供の問題点について考察してみます.
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