ズームイン
知的ハンディキャップを持つ若人が,看護助手として勤務—横浜・景翠会金沢病院の英断
藤巻
,
中谷 真里子
1
,
幸加木 和子
2
,
大黒 常雄
1景翠会金沢病院
2金沢病院外科系混合病棟
pp.331-336
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904245
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看護の世界への道
大黒雅美さん.今年20歳の成人を迎えた.彼女は横浜にある景翠会金沢病院の看護助手である.今月号のグラフで紹介したように,彼女には知的八ンディキャップがある.小学校,中学校は普通学級で過こしたが,いじめにもあったという.高校は横浜市立高等養護学校に入った.演劇部や生徒会の役員として活動するなど,なかなか活発であったと高校の先生に伺った.
そんな彼女が進路に選んだのが看護の世界.人の世話をするのが好きで,祖母が病気の時に一所懸命に面倒をみたのも彼女だった.だが,それだけでは就職に結びつかない.実習を経る中で,彼女の適性を見い出した看護部の判断.看護助手として,労働条件,給与体系も差別することなく採用した病院としての英断.「障害者」の問題を考える時,やはり恵まれていた,と言えるかもしれない.
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