招待席
—大谷 藤郎—ハンセン病問題と人権思想—過去の反省と未来への課題
大谷 藤郎
1
,
編集室
1国際医療福祉大学
pp.689-693
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903784
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2001年5月11日,熊本地裁はハンセン病患者らが1998年に起こした国家賠償請求訴訟に関し,患者(原告)側勝訴の判決をくだした.この判決によって,1907(明治40)年以来90年のながきにわたってつづけられてきた国のハンセン病対策は誤りであり、国は患者に謝罪し補償する責任があることが認められた.早くから,らい予防法廃止の運動に携わってきた大谷氏は,患者側・国側双方から証人として出廷を求められ,それに応じた.
1996(平成8)年のらい予防法廃止に関する法律のなかには,患者さんが療養所にとどまりたいというならば国が医療・福祉を含めて一生面倒みなければならない,社会復帰を希望されるならばそれを援助をしなければならない,という条項があります.そこに一定の償いの意味が込められていますが,謝罪の言葉は書いてない.国はこの段階では患者さんにきちんと謝罪はしていません.
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