書評
―大谷藤郎 著―ひかりの足跡―ハンセン病・精神障害とわが師 わが友
山内 俊雄
1
1埼玉医科大学
pp.307
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101598
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つい先日,ある新聞に,『隔離百年を問う集会』との見出しで,こんな記事が出ていた。『ハンセン病の公立療養所ができて100年を迎え,全国ハンセン病療養所入所者協議会は(2009年)11月17日夜,東京都内で「ハンセン病隔離の100年を問う東京集会」を開いた。出席した厚生労働相は,「国の施策が厳しい差別を生み,苦痛と苦難を与えた事実に対して厚生労働大臣として反省し,おわびする」と述べた』
淡々と記されたこの記事に含まれる深い意味を,私は感慨を持って読み取っていた。というのも,「ハンセン病・精神障害とわが師 わが友」という副題のついたこの本から,ハンセン病を隔離,排除する法律によって,病者がどれほど阻害され,悲惨な状況に置かれてきたかを学んでいたからである。
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