Japanese
English
論説
人権思想とリハビリテーション
The Thought of the Human Right and Rehabilitation.
武智 秀夫
1
Hideo Takechi
1
1岡山大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Okayama University Medical School.
キーワード:
人権思想
,
歴史
Keyword:
人権思想
,
歴史
pp.37-48
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103084
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【抄録】 リハビリテーションの医学的側面に対する考察ないし啓蒙は多くなされているが,その社会的側面に対するものは少いように思われる.そこで,身体障害者のリハビリテーションを人権思想の変遷の面から考察してみた.今日基本的人権の一つに生存権が考えられるようになっているが,それに至る歴史的必然の過程についてのべるとともに,医学的なリハビリテーションの概念の発祥が,18世紀の啓蒙思想につよく影響されていることに論及する.18世紀に生まれたアンドリーによるオルトペディアの思想は,当時の啓蒙思想により高揚された人間の理性,権利意識などの社会的な進歩の影響をうけたものといえよう.その後,第一次,第二次大戦をへて,一方では技術革新としての医学の進歩と,社会の進歩としての人権思想の変遷が,今日のリハビリテーションの発達にあたえた影響は大きく,リハビリテーションにたずさわる者達は,この方面について熟慮する必要があろう.
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