連載 考える
ターミナルケアからの歩み—一看護婦の「物語」・7
看護研究
竹内 輝江
1
1大阪府立病院外科病棟
pp.674-678
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903514
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新たな一歩
私たち看護婦の日々の仕事は,情報を収集し,看護計画を立て,実行するという形で行なわれています.それが看護だと教えられ,働いてきたのですが,ある末期患者の自殺に遭遇したあと,そういうやり方だけで本当にいいのだろうかと,私は疑問を抱くようになりました.
私たちは,患者が何に悩み,何を望んでいるのかよく知らないまま看護をしているのではないか.患者の悩みや要望に耳を傾け,それを実際のケアに反映させる努力がもっと必要ではないか.自殺した患者の死を嘆き悲しむだけでなく,その経験を活かすべく「何かをしなければ」と思い始めた私はそう考え,病棟の看護研究として,予後不良と診断された患者へのインタビューを提案しました.
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