連載 考える
続・家族の肖像・7
お父さん
柳原 清子
1
1日本赤十字武蔵野短期大学
pp.668-673
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903513
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ある大学で「ターミナルケア」の話をする機会があった.家族メンバーの一員が不治の病いとなり,やがてターミナル期を迎える.「その時家族は…」というのが,中心テーマだった.
今青年期を生きる彼ら,まして医療に携わるわけでもない人たちに「死」や「それを取り巻く人々の姿」を語りかけることは,違和感をもって迎えられるのではないかと危惧したのであるが,授業後の感想を求めた紙には,実にさまざまなことが書き込まれてあった.比較的多くの学生が,自分の身近な人の死を想起しており,幼少時のイメージでは「死は暗くてこわい感じだった」と書いていた.
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