連載 考える
ターミナルケアからの歩み—一看護婦の「物語」・11
一般病院でのターミナルケア
竹内 輝江
1
1大阪府立病院外科病棟
pp.1060-1063
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903597
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私がこれまでにかかわった末期患者のなかには,ホスピスに転院したり,在宅医療を受けながら亡くなった人もいましたが,大半の人は,予後がはっきりしなかったり,死を迎える間際までさまざまな処置を必要とするなどの事情があり,結局病院で亡くなっていきました.
正直にいうと,予後不良であることを受け入れている患者や家族にとって,処置や検査に追われるあわただしい一般病院は,あまり快適ではなかっただろうと思います.患者の死後,本当にこれでよかったのかと疑問が残ることもたびたびあり,そうした疑問やわだかまりは,私のなかで病院死を巡る迷いや葛藤を引き起こす大きな原因になっていました.
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