特集 看護介入技法としての代替・補完療法
からだに触れて,こころに触れる—産後の乳房マッサージへのこだわり
大井 伸子
1
1岡山大学医学部保健学科
pp.622-625
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903505
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はじめに
日常の看護の場面において,熱や脈を測り観察をするとき,清拭や洗髪といった日常生活の援助を行なうとき,診療時の援助を行なうときなど,看護者は何気なくその看護の対象となる人の「からだ」に触れている.そして,あまりにあたりまえのことであるがゆえに,からだに触れることの意味や効果,またその重要性について,看護者自身がつい意識しないで行なっていることが多いのではなかろうか.Blondis1)は看護の非言語的行動のなかでもっとも重要なものは,おそらく身体接触であろうといっているが,からだに触れるということ,からだに触れて専門職として「技術」を行なうことについて,見直す必要性を感じている.
今回,ある事例をもとに「乳房マッサージ」という行為を通して,からだに触れることやその技術が患者や看護者へもたらす効用について,考えてみたい.
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