特集 新しい時代の看護と情報
看護情報体系化の意義と今後の可能性—鹿児島大学医学部附属病院看護情報システムの新段階
宇都 由美子
1
1鹿児島大学医学部附属病院医療情報部
pp.1069-1074
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900253
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看護情報の体系化
一口に看護情報といっても漠然としており,現在のところ,何をもって看護情報とするかの定義は明確でない.ただ,ここ数年の間に,看護情報に対する関心が一段と高まってきたことは,紛れもない事実である.その表われとして,昨今の看護情報に関する学会や研修会の盛況ぶりには,目を見張るものがある.また,看護教育界においても,1994(平成6)年度を目処に高等学校衛生看護科のカリキュラムに「看護情報処理」という科目を新設するという新しい動きが見られる.
このような看護情報への関心の高まりは,社会の情報化に対応する社会的ニーズの表われであり,看護情報学の確立へ,何らかの大きな期待が寄せられているからである.すなわち,目ざましい勢いで分化,成熟を遂げている現代社会においては,人々の価値観は多様化し,あらゆる面で複雑多岐にわたる高度な欲求を持つようになってきた.特のその傾向は医療サービスに対して顕著に見られるようになり,看護においても,看護本来の機能を効率化するため必要な情報を収集し,判断することが極めて重要になってきたのである.
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