特集 患者の死後,看護婦は……
患者の臨終,家族へのフォロー
家族が悔いのない看取りをできるように—Sさんの死を通して
松浦 千恵子
1
1癌研究会附属病院内科病棟
pp.979-981
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900231
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人の生き方や死に方はさまざまであり,残された家族に及ぼす問題や影響もまたさまざまである.
“お母さん”と絶叫する幼い子供に応えるように一粒の涙を流したAさん.“人間の死ぬ姿をよく見ておくのよ”と娘に身をもって生を教えて逝ったBさん.“寝たきりの姑の世話ができない”と唇をかんだCさん.独り暮らしになる年老いた夫の生活を心配して逝ったDさん……ひとりひとりの死は,何とも固有で深く悲しい体験であり,死後の家族は,あまりにも辛い現実に直面する.
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