特集 「病院死」を考える
「かかりつけ医」と死の看取り
加藤 恒夫
1
1医療法人社団かとう内科
pp.1107-1110
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901393
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はじめに
近年,医療・福祉界は在宅ケアブームであり,末期がんケアもその例外ではない.平成6年4月からの診療報酬改定には,末期がん在宅ケア料や訪問看護のターミナルケア加算が盛り込まれ,それに向けた厚生省の意欲をうかがわせる.
しかし,平成3年の人口動態調査では,自宅で亡くなっている末期がんの患者は6%と,欧米諸国に比して著しく少ない(英国ではがん死の30%が自宅)(図1).しかも,それらのほとんどが病院から提供された在宅ケアであり,開業医が関与している例はほとんど無い.
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