特集 患者の死後,看護婦は……
患者の臨終,家族へのフォロー
あの母親たちは,今どうしているのだろうか
佐藤 信子
1
,
伊藤 律子
2
,
古市 公子
2
,
小林 好子
2
1神奈川県立こども医療センター学童内科
2神奈川県立こども医療センター幼児内科
pp.976-978
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900230
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わが子の死に怒りにも似た感情
子供の死を看取るということは,家族にとって,とても言葉では表現できないほど深い悲しみ,苦しみであろう,親よりも先に死ぬことの不条理さや,あまりにも短過ぎる生に怒りにも似た感情を持ちながら最期まで闘い続ける.
「わが子を先に逝かせた親が,それも日々,その苦しみを目のあたりにしてきた母親が,立ち直るのは容易ではない」とある母親は手記で語っている.家族にとって子供の死を看取るという最大の苦痛は、その後も立ち直るまでの長期にわたって続くのである.
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