特集 リハビリテーション看護を見直そう
リハビリテーション看護—その実践概念からの位置づけ
竹内 孝仁
1
1東京医科歯科大学リハビリテーション部
pp.546-550
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900140
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リハビリテーションの概念をめぐって
混乱している現状の整理
「リハビリテーションとは何か」という質問ほど一言で答えにくいものはない.私たちは,例えば1人の脳卒中患者を前にした時,その人がリハビリテートしていく姿を思い浮かべるのはそれほど困難ではない.片麻痺はある程度残るにしても,家族のもとに帰り,再び職場に戻って,言うならば本質的には“もとの生活”に復帰するイメージを,リハビリテーションと自然に解釈している.
だが,このようなごく自然の解釈(私たちの実感)を“定義”づけ,リハビリテーション(以下,リハと略す)の概念としてかたちを整えようとすると,しばしば混乱の淵に落とされる.そのよい例がリハの書物に登場する“定義”の難解さである.WHOや各機関の定義を読むと,リハの概念が分からなくなるというのが正直な感想だろうと思う.
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