連載 医療の零度―次世代医療への省察・5
「エビデンスの科学論問題」とは何か
京極 真
1
Makoto Kyougoku
1
1社会医学技術学院
pp.710-714
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101307
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今回は,「エビデンス」をめぐる「考え方」の矛盾対立を具体的に検討したうえで,そもそも実証主義によってエビデンスの科学性を担保できるのかどうかを考えていく.
エビデンスにおける「考え方」の矛盾対立
前回1),科学的方法の中心にランダム化比較試験(RCT)とそのシステマティック・レビュー(SR)を位置づける構図のもとでは,多様なエビデンスの使用に対して実質的な制限がかけられると述べた.したがって,この構図を克服していく必要があるのだが,実のところこの問題はなかなかの難問である.
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