特集 実践!家族アプローチ
【コラム】
“紛争家族化”する戦後日本型家族の行方
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.826-827
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102658
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家族は大きく変容した.特筆すべき劇的な変化の一つは,いわば“紛争家族化”“クレーム家族化”とでも呼ぶべき現象だ.医療者として患者やその家族に関わるなかでほんの些細なことが“喧嘩の火種”になる.わずかなすれ違いが大きなトラブルの“引き金”になる.何気ない振る舞いが“地雷を踏む”.むろん,紛争・トラブルは医療者対患者・家族だけではない.遺産相続や介護責任をめぐって家族内・親族間でも諍いや争いが起こる.加えて,近隣・地域は各種トラブルが頻発している.こうした家族間・親族間・地域間の紛争やトラブルの苛立ちや怒りが回り回って医療者に向けられることも少なくない.いやはや,困ったものだ.
では,なぜ戦後日本の家族は“紛争家族化”したのか.ここでは増発する「地域トラブル」を題材に,“紛争家族化”“クレーム家族化”する戦後日本型家族の特徴を描写しよう.
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